美しい国へ (文春新書)

美しい国へ (文春新書)


注)完全にネタばれ感想なので、未読の方は自己判断でお願いします。





やーやー流行り?にのって読んでみました。政治家の本を私が買う世の中になるなんて・・・。
安倍さんの書きたい(言いたい)内容を思いつくままに書いた、というのが一読した印象です。
有名人が自分の考え方を書いたような本(エッセイだとか回顧録とか)って読んだことないんですけど、
話がどんどん飛んでいくのでちょっと面食らいました。
あ、私がこういうのに慣れてないだけでしょうか。


でも思ってたより面白かった(読みやすかった)です。
恥ずかしながら私、右翼と左翼の存在や思想の違いをちゃんと認識したのがここ2,3年の話ですので
保守派とかリベラル派とかよく分からなかったんですね。何となくイメージでとらえてたし。
それがちゃんと理解できました。分かりやすかった。
でも政治の世界では理念がきっかり分けられるとは限らないんですねぇ。複雑だな・・・。
例えにちょくちょく映画の話が出てきて、映画好きとしては激務に追われる議員さんでも映画見る
時間あるんだな〜と妙なところで親近感持ちました(笑)安倍さん映画好きなのかな?
そういやいつだったか正月頃に、小泉さんと偶然(本当か?)映画館で会ったという話もありましたね!
首相は安倍さんを見て驚き、「やぁ、今日は何でこんな空いてるんだろねぇ」と言ったそうです。
いやいや貴方がいるから!人払いをするSPの苦労も分かったげて!


・・・・・話がそれた。そうそう、本の感想ですね。
序盤の安倍家の話が面白すぎます。視点の違いといいますか。
作った側の見解なんてあんまり知る機会なかった・・・・・というか知ろうとしなかったもんなぁ。

子どもだったわたしたちには、遠くからのデモ隊の声が、どこか祭囃子のように聞こえたものだった
祖父や父を前に、ふざけて「アンポ、ハンタイ、アンポ、ハンタイ」と足踏み・・・

ちょwwかわいいな晋三(小)!
どっちかってと小さい頃はお父さんよりおじいさんに可愛がられてたみたいですね。
しっかしすんごい家庭だよ・・・。デモ隊が押し寄せる家(岸信介氏の家)で遊ぶ幼少時代って・・・。

官邸に閉じ困られた祖父は(中略)「わたしは決して間違っていない、殺されるなら本望だ」と
死を意識したといが・・・

先生!!(この場合ホントに「先生」だ)
同じようなことを去年郵政解散の時に言った人がいます!!(笑)
ってか安倍さん的にはあれどうだったのかな。尊敬するおじいさんと同じ事を言う総理に感銘を受けたか、
それともこんなことで命を懸けるとか大袈裟に言うなって思ったか・・・・。


よく小泉ー安倍路線とか言うけど、安倍さんは小泉さんをどう思ってたんだろうなぁ。


安倍さんが世論で支持されてるのって、「小泉さんの後継者」というイメージがあるからだろうし
こんな大事な時期に、支持率が未だ40%ある現総理を(いくら退任するとはいえ)批判なんてするわけない
とは思いますが、そこまで連携してるという印象もあまりない。
無いことを信じたいけど安倍さんが今後小泉さんを批判し始めたらかなり悲しいかも。。。


私が「人間的に」小泉さんを好きなのは、人の批判ばかり口にするような政治家じゃなかったからです。
名づけ親の某外相さんとか元主流派閥の中核を担っていた「毒まんじゅう」発言の人とか、総理からすれば
本気で気に入らなかっただろうに公の場では名指しで批判なんてしなかったですよね。
たぶん取るに足らないような小さなことなんだろうけど、そういう姿勢が国民に与える印象は大きかったような
気がする。
あ、でもこの人確か「民意が間違ってることもある」って言ったっけ・・・・。
間違った民意を正しく導いてくのが政治家の役割だと思いますけどね。
もし小泉さんを支持したのが「間違った民意」であったとしたら、安倍さんにはそれを
小泉さん(あるいはそれを助長したマスコミ)への批判という形で表してほしくないです。

・・・・う〜〜〜ん・・・でもこれって贔屓以外のなにものでもないな・・・。


ってまた脱線!!話を戻します。
この本は安倍さんの人となりを知る上で、読む価値ありの一冊でした。安いしね。
最後に一番笑った一文を。

偏狭な、あるいは排他的なナショナリズムというのは他国の国旗を焼くような行為にこそ
当てはまるのではないだろうか


真っ先に浮かぶ国が2つほどありました(爆笑)